原子スペクトルについて の記事で原子スペクトルの話をいたしました。
物体に光が当たると一部は吸収され、残りは反射されます。
今回は吸収される分子スペクトルについてお話しいたします。
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分子とは
まず、分子とは原子と原子が結合した、その物質の化学的性質を失わない最小の構成単位です。
例えば、釉薬の原料では、
ネフェリン(K2O・3Na2O・Al2O3・8SiO2)
陶試紅(Al2O3(Mn・P)) , 骨灰(Ca3(PO4)2)
ドロマイト(CaCO3・MgCO3)
などたくさんあります。
他の釉薬の原料は 呉須・釉薬用陶磁器原料の元素の性質 をご覧ください。
それでは、分子スペクトルについてご説明します。
分子スペクトル
原子と分子の一番の違いは、分子は原子と原子が結合していることです。
原子間の距離は常に振動しており、それぞれの原子の状態も変化します。
この様に分子の内部に持つエネルギーは、回転エネルギー(rotational energy)、振動エネルギー(vibrational energy)、電子エネルギー(electronic energy)の3種類があります。
回転エネルギーとは重心を通る軸のまわりの回転のエネルギーの事を言います。
振動エネルギーとは分子内の原子の振動のエネルギーの事を言います。
電子エネルギーとは分子軌道に分布する電子の状態に関係するエネルギーの事を言います。
外部によりエネルギーを与えられると、分子はエネルギーを吸収し、これらの3種類のエネルギーの1種類以上のエネルギー状態が変化します。
この吸収スペクトルを分子スペクトルと呼びます。
尚、それぞれが吸収するエネルギーには傾向があります。
回転エネルギーはマイクロ波・電波を
振動エネルギーは赤外線を
電子エネルギーは紫外線・可視光線を
吸収する傾向があります。
この様なメカニズムで物体に光が当たるとエネルギーとして吸収しているのです。
まとめ
今回は分子スペクトルに関するメカニズムをご説明しました。
この吸収される光の補色が反射として我々の目に見えているのです。
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