2022年12月7日(水)に国立大学法人佐賀大学様が弊社に「未来を拓く材料の科学Ⅳ」の授業の一環でご来社され、工場のご案内をいたしました。
この授業は、佐賀地域の特色を考えた化学関連商品についての試案とビジネスプランニングを目指す授業です。
教育学部、経済学部、芸術地域デザイン学部、農学部、理工学部の3年生の100名程度が出席されます。
11月10日(木)に佐賀大学様で深海宗佑が講義した続きです。
Table of Contents
工場見学内容
今回の工場見学では下記の9つの項目をお話しさせていただきました。
01.有田焼の製造工程
02.呉須の基礎知識
03.呉須の製造工程
04.釉薬の基礎知識
05.釉薬の製造工程
06.釉薬製造の難点
07.ゼーゲル式を用いた釉薬の調合
08. SDGsの取組
09. 釉薬の科学
感想
深海商店の見学で学んだこと
呉須と釉薬の種類の多さ、それ故に生まれる質感や色味の違い、そしてそれを作り上げるのに多くの時間がかかることが見学をさせていただいたことで、よりリアルに感じることができました。実際に釉薬を塗布するところを見せていただきましたが、想像以上に乾くの速くてとても驚きました。また手形がつかないように塗布するのが難しそうだなということからも、職人さんの技のすごさも感じることができました。
しっかりとデータ化・マニュアル化することは均一な製品を作る上で重要なことだと思った。またコンピュータを利用して材料の特性などを数値として表すことは、作業効率を上げるためにも大切だということを学んだ。数値化して結果を予測することで製品開発のトライ&エラーのトライの数を増やし、エラーを減らすことができる。データ化や数値化、それらのデータを利用した計算システムを築くだけでなく、実際に利用することが大切だと思った。
呉須を約1週間石臼で擦って粒子を細かくすることで、服やトートバックにも使用できるようになること。酸化、還元により出てくる色が全然違うということ。
温度、湿度、乾燥時間、大きさ、処理方法などのあらゆる条件が完成品の品質を左右すること。
呉須と釉薬の製造工程の違いとそれぞれの歴史について。同じ釉薬であったとしても、土・生地の厚さ・温度・冷却時間の違いで出来上がりの表情が豊かであること。
深海商店様の見学では、実際に出そうと思った色をお皿に出すことがとても難しいということがわかりました。また、呉須を作るためには素焼きをしたり何度も色の検証を行ったりたくさんの工程を経て作られていて、その中に多くの化学が使われていることを学ぶことが出来ました。
焼成の際に焼物と土台の設置面の部分は焼物が土台とくっつかないようにするために色がつけられないこと。
深海商店へのコメント及び質問
本日は見学をさせていただいてありがとうございました。実際に品物を見させていただいたため、呉須と釉薬の種類の多さをこの目におさめることができ、とてもいい経験になりました。スライドや見学案内も丁寧にしていただき、全体を通してとても分かりやすかったです。今後有田焼を買う際には今回学んだことを頭に起きつつ、自分の好みの質感を探してみたいと思います。
今回、私が深海商店様の工場を見学した際見せていただいた窯は色ごとに1台あって、焼き物を作るのにとても多くの費用がかかっていることを目で見て感じることが出来ました。今回の見学会では多くの学びがあり、とてもためになりました。呉須のカラーバリエーションがとても多く魅力的でした!
釉薬で狙った色をだすには湿度など様々な条件を整える必要があるため、それらを整えるのにコストがかかりそうだと思いました。
今まで呉須や釉薬に触れることがなかったので、とても貴重な体験でした。深海商店様が、とても品質の高いものを製造されているということが分かりました。また、釉薬はいろいろな元素によって色が決まり、色々な側面によって焼き上がりの色が違ってくると知り、とても面白いと思いました。販売者にとっては欠点かもしれませんが、1つ1つ違った味が楽しめるのは、世界で唯一のものという感じがして特別感が生まれると思いました。丁寧な説明をありがとうございました。
初めて呉須や釉薬の製造現場を見た。丁寧に分かりやすく呉須や釉薬について説明してもらえた。実際の現場を見学することで窯業がどのようなものなのかを感じることができたように思う。
釉薬をかけて乾燥させたときの皿の色と焼いた後の色が全く違うのに驚きました。原料をどれくらい入れて釉薬を作るとどのような色になるというのを計算して何度も実験されているところに職人技を感じたし、それをデータベース化して解析されていると聞いて、科学も関わっていることに驚きました。ただただ伝統を守るだけでなく、最新の技術も利用して焼き物をさらに発展させているところがすごいなと思いました。
今までは焼き物は作って焼くだけと思っていましたが、思い通りの色を出すために化学や難しい計算式の知識が必要なんだと今回の見学を通して学ぶことができました。釉薬の調合で作るのが難しい色はあるのでしょうか。
今回、この見学に訪れることができてよかったです。陶器がどのように作られていくかはテレビやネット等を見て、大まかに知っていましたが、呉須や釉薬の原料は何か、どのように製造されているかは全く知らなかったため、とても興味深かったです。呉須の製造で焼成の前後で色の変化がとても明確で驚きました。釉薬の製造工程が呉須より少ないことに驚きました。なので、貴重な体験をさせていただきありがとうございます。
現場を実際に拝見することが少なかったので、参加して良かったです。
以上です。
少しでも佐賀大学の皆様にとって、化学の面白さをお伝えできたり、知的好奇心を満たす時間になれていれば幸いです。
工場見学の様子